女性のさらなる社会進出は、少子高齢化社会にある日本にっとっては必要不可欠なものだ。だが一方で「女性が社会進出したことで少子化が進んだ」という話もあるが、実は女性の働く割合が多いほど出生率も高い傾向がある。
国内では、島根や山形、福井など子育て中の女性が仕事をしている割合が高い都道府県のほうが、出生率が高水準。逆に神奈川や兵庫、埼玉などは専業主婦率が高く、出生率は低い。
海外に目を向けるとスウェーデンやデンマーク、アイスランド、ニュージーランドのように女性の就業率が高い国はどこも出生率が高い。これらの国は、女性の社会進出が始まった1970~80年代頃までは少子化が進んでいたが、90~2000年代に入り、出生率が回復した。立命館大学産業社会学部教授の筒井淳也さんは言う。
「仕事と子育てを両立しやすい環境が整えば、女性の労働参加は出生率をプラスにする力があります。具体的には、男性の働き方を改善し、家事育児を夫婦で分担し、共働き世帯を社会で支えることがポイントです」
要するに、女性の社会進出よりも男性の家庭進出が出生率回復の鍵を握っているのだ。