「高額すぎる海外出張費」などに続いて、政治資金に絡む疑惑まで浮上した舛添要一都知事。世論の不信と怒りは収まらない。
苦しい弁明に終始した会見だった。大勢のマスコミ関係者らが詰めかけた13日の都庁。舛添都知事は神妙な顔で「心からお詫びします」と頭を下げたが、「信頼回復に努めたい」と辞意を否定した。
新たに浮上した疑惑のうち、最も注目されるのは家族旅行の宿泊費を政治資金として処理したとされる問題だ。収支報告書によると、参院議員時代の2013年1月3日、千葉県内のホテルに会議費用として約24万円を支出。翌14年1月2日にも会議費用として約13万円を支出している。この2件の支出計約37万円が会議ではなく、正月の家族旅行に使われた、との疑惑が持たれている。
舛添都知事は会見で家族と宿泊した事実を認め、「プールで泳いだ記憶もある」と述べた。一方で、選挙に向けて話し合う必要があったとし、「家族と宿泊していた部屋で事務所関係者らと会議をした」と説明。「政治活動(の一環)だったと認識している」としながらも、政治資金収支報告書を訂正、削除した上で返金する考えを示した。
この2件に関して、元検事で弁護士の郷原信郎氏は、政治資金規正法(虚偽記載)に抵触する可能性があると指摘している。