「家族旅行に使ったお金を政治資金の支出として計上したのであれば、政治資金収支報告書の虚偽記入罪に該当し、処罰も可能な事案です。罰金でも公民権停止で都知事失職になります。告発が行われた場合、不起訴にすると検察審査会の起訴議決の可能性もあるので、起訴猶予か罰金か微妙なところです」

 郷原氏はさらに、一都民としての感慨をこう漏らした。

「もっとも、もし事実であれば政治資金の使い方としては論外。都知事への都民の信頼を著しく損なう行為なので、即刻、辞任すべきではないでしょうか」

「刑事事件以前のレベルの話」というわけだ。

 都庁職員の舛添知事評も下降線をたどっているという。

「上品な猪瀬」。これが都庁職員に共通する舛添知事評だった。前知事の猪瀬直樹氏より物腰は柔らかく、頭の回転も速い──。14年2月の知事就任当初は職員の評判も上々だったが、「就任1年目を過ぎたころからボロが出始めた」(音喜多都議)。都議会では情報隠蔽や答弁拒否が繰り返され、「開かれた都政」をアピールしてきた知事への失望が広がった。職員に対しても、基本的には猪瀬前知事と同様に「常に上から目線」。失敗を指摘されると、饒舌になってまくしたてる姿も目撃されていた。自分の懐を痛めたがらない「ケチ」ぶりも有名だった。(アエラ編集部)

AERA 2016年5月23日号より抜粋

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