「名経営者」と言われる人たちには独自の経営哲学がある。ユニクロでおなじみ、ファーストリテイリングの柳井正社長の場合は、独自のグローバル戦略があった。
ずっと本気で「世界一になる」と言い続けてきた。
25年前、社名を「小郡(おごおり)商事」から「ファーストリテイリング」に変え、これから全国展開という段階で、「GAPを超える会社になる」と宣言。周囲の失笑を買ったが、本人は真顔だった。
それがいま。時価総額で目標だったGAPを抜き、2015年8月期の売上高は1兆6千億円。ZARAを展開するインディテックス(2兆4千億円=15年)、H&M(2兆1千億円=14年)、GAP(1兆9千億円=15年)に次ぐ世界4位につけ、「アパレル世界一」を視野に捕らえた。20年には売上高を5兆円にするという。
成長の原動力となったのが、独自のグローバル戦略だ。
ユニクロ海外進出の第一歩として01年にイギリス・ロンドンに出店して以来、17カ国・地域に進出。15 年11月時点で海外店舗は864となり国内844店舗を上回った。グループ全体の売上高に占める海外事業の割合は35%。日本のアパレルでこの比率はダントツだ。それでも柳井は言う。