現役最後の試合を自らのゴールで飾り、チームを日本一に導いた澤穂希選手。「最高の形で終われてよかった」/2015年12月27日、川崎市 (c)朝日新聞社
現役最後の試合を自らのゴールで飾り、チームを日本一に導いた澤穂希選手。「最高の形で終われてよかった」/2015年12月27日、川崎市 (c)朝日新聞社
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 サッカー日本女子代表の澤穂希選手(37)が昨年末、引退した。五輪イヤー直前の決断は、純粋に競技上の理由だけだったのか。

 唐突な引退だった。

「心と体が一致してトップレベルで戦うことが難しくなっていると感じた。冬になると体が痛くなったり、若い頃より回復が遅くなったり。いつもなら足が出るところで出なくなった」

 昨年12月17日。声を詰まらせ、こう語った澤選手。4カ月前の8月には、J1仙台スタッフの辻上裕章さん(39)と結婚し、所属するINAC神戸の本拠地・神戸市と「遠距離婚」をした上で「リオ五輪を目指す」と現役続行を明言していた。

 5年前の女子ワールドカップ。なでしこジャパンは、決勝で米国に2度追いついて、最後はPK戦の末優勝し、澤選手はアジア人初の世界年間女子最優秀選手にも選ばれた。しかし、翌年のロンドン五輪では銀メダルと惜敗。今年のリオ五輪へのこだわりは誰よりも強かったはずだ。

 元なでしこメンバーで現在は解説者や指導者として活躍する川上直子さん(38)は、「体との付き合い方を変えれば体力的には何とかなるかもしれないので、リオでの澤選手を見たいとは思う」と残念がりつつ、理解を示す。

「一年一年はとても長い。若い頃のように競技のことしか頭にないわけではなくなるので、精神的に続けることが難しくなる」

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