国民学校に入学した年、太平洋戦争が始まった。もんぺをはいて、防空ずきんを枕元に置いて眠るのが“日常”。家の庭を歩いていたら、急降下してきた小型米軍機から銃撃されたこともある。終戦を、11歳で迎えた。

「ラジオから流れてきた昭和天皇の『堪えがたきを堪え、忍びがたきを忍び』という一節だけはよく覚えています。戦争に行くことも、死ぬことも名誉だと言われて持ち上げられた時代。悲しいなんて誰も口にできませんでした」(溝井さん)

 今年、実際に国会前のデモに足を運ぶことはなかったが、思いがにじむツイートは数多くリツイートされた。

「戦争って人の命無駄にするが、お金もすごく無駄に使うんです。(中略)でも全然そんなことは考えない人達がいて、その人達の声は単純ゆえに大きい。単純な人には説得力を持つ。これがこわいです」(6月29日)

 利用者の幅も広がりオープンな言論の場として成熟してきた感があるツイッター。低年齢層へのリテラシー教育は、来年の大きな課題となるだろう、と前出の広報担当。すでに学校からの依頼もあるという。

AERA 2015年12月21日号より抜粋

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