
デモにしろハロウィーンにしろ、情報収集と拡散のインフラとなったのはツイッターだ。災害や事故があれば現場の様子が即座に世界中に発信され、企業でも政治家でも芸能人でも、ツイッター利用の巧拙がそのまま大衆からの評価となる。
ツイッター社の広報担当者は、こう見る。
「アメリカなどではおもに情報共有のために使われていますが、日本では『情報』というほどでもないやわらかいものの共有が好まれる印象があります」
共通の話題を示す「ハッシュタグ」のランキングを英語と日本語で見ると、違いは一目瞭然だ。パリで起きたテロに追悼の意を表す「JeSuisParis(私はパリ)」、米ミズーリ州で黒人の青年が白人警官に射殺された事件に対するデモのスローガン「BlackLivesMatter(黒人の命だって大切だ)」。続いて同性婚、難民受け入れ、米テキサス州で自作の時計を学校に持ち込み逮捕されたイスラム教徒の14歳少年への支持など、英語では自らの意見を表明する、賛同や非難の意を示すツールとしてのハッシュタグの意味合いが大きい。
埼玉県の80代の女性は、安保関連のツイートを見守り続けたひとりだ。10年に始めたツイッターのフォロワーは現在約5万7600人。