ゆるいつながりを好み、あえて待ち合わせもしない……高校生1030人を対象に調査を行ったところ、彼ら、彼女らの独特の実態が見えてきた。
朝寝坊したけど、メイクも髪形も手は抜けない。だって、いつデートが入るかわからないんだもん。ドライヤーで黒髪を丁寧にブローしているうちに、遅刻確定──。都内の私立高校2年のユミ(17)は言う。
「デートも友だちとの遊ぶ予定も、LINEで『今日会える?』って連絡を取り合うから、だいたい急に決まります。前もって予定を決めるのって重くて」
手帳は持っているが、週3で入っているレストランバイト以外のスケジュールは、ほぼ後から書き込む「記録用」だ。
あえて待ち合わせしないことも多い。ツイッターで「渋谷なう」とつぶやけば、近くにいる友だちからリプライ(返信)が来る。ごはんを食べる相手なんてすぐに見つかる。待ち合わせ時間も「◯時ごろね」と厳密には決めない。「スマホで時間がつぶせる」から、30分程度の遅刻はなんてことない。
30年近く女子高生を見続けてきたマーケティング会社「ブームプランニング」代表の中村泰子さんも最近、変化を感じる。例えば、2週間後のグループインタビューの参加者を募っても反応が悪く、聞けば「そんな先のことは決められない」とのこと。集合時間も早めに設定し、LINEでまめに連絡するケアが欠かせない。そもそも「遅刻」の概念がない子が多いからだ。
「今の高校生は、ゆるゆるっと集まって、心身ともにストレスのない人間関係を好む。それは、『親友』といった誰かを特定する言葉よりも、いつものメンバーの『イツメン』という呼び方をするところにも表れています」