
朝ごはんを外で食べる習慣は、日本にはあまりないものですが、いまどきは休日の早朝から列に並んで、おしゃれな朝食を食べるのがはやっているようで。気分はロコか、ニューヨークセレブか…。
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朝が遅い街のはずの東京・原宿で、休日の早朝7時から行列を目にする日が来ようとは。10代後半〜20代の女性が目立つが、同年代の男性や、30代、40代と思しき女性の姿も見られる。長ければ、待ちは2時間。
行列の先にある店の名は「カフェ・カイラ」。ハワイでベスト朝食賞金賞を2年連続受賞した名店で、メニューにはオムレツやサンドイッチも並ぶが、人気は何といってもパンケーキだ。
色とりどりのフルーツをパンケーキ本体が隠れるほど盛り付け、南国風の花を添えた“トッピング全部のせ”が運ばれてくると、「わぁ」とため息にも似た感嘆の声があがる。2100円は朝食としては高いが、「非日常体験」の対価としてはアリなのだろうか。
いま、「朝食」がブームだ。引き金を引いたのは、2008年にオーストラリアから神奈川・七里ガ浜に上陸した、リコッタチーズ入りパンケーキが人気の「bills」といわれるが、これ以降は、ハワイのパンケーキ店「Eggs’n Things」、前出の「カフェ・カイラ」、パンケーキに加えホットドッグも人気の「SanFrancisco Peaks」など、アメリカ勢が朝食市場を席巻した。
下地を作ったのはおそらく、「bills」上陸と同じころに始まった「朝活」だ。出勤前に勉強したり運動したりすることを指し、これもアメリカで始まったものとされる。
08年の大ヒット映画「SEX AND THE CITY」にも、サラ・ジェシカ・パーカー演じるキャリーと3人の親友たちが朝食女子会を開く場面が登場したっけ。ニューヨークやロサンゼルスのセレブ、ハワイのロコたちのロハスなライフスタイルへの憧れが、2時間行列に並ぶ情熱を支えているのか。
※AERA 2015年2月16日号より抜粋