学校での性教育は女子を中心にしたものになりがちだが、男子への性教育も重要だ。思春期の男子が正しく「気にするべきこと」とは。
泌尿器科と婦人科を併設する池田クリニック(熊本県合志市)の池田稔院長は、地元の中学や高校で男子を対象に性教育の講演をしている。学校での性教育は女子が中心で、家庭では放任のケースが多い。
「性の相談は、女子なら産婦人科ということは常識ですが、男子が泌尿器科だとは知らない人が多い」
心配しなくていいことで悩む人が多いのは「包茎」。母親が気にするケースも多い。
「今は包茎を治す軟膏もあります。手術が必要なほどの人は真性包茎のうち1割程度では。手術はできる限りしないでいいと思います」
思春期の男子たちが、正しく気にすべきことは「ペニスの大きさより、精巣(睾丸)の大きさ」だという。成人の睾丸の8割は精子を作る細胞で、2割は男性ホルモンを作る細胞。いずれも生殖に重要だ。思春期前には容積2ミリリットル程度の睾丸が、成人で約10倍の15~20ミリリットルまで大きくならないと、乏精子症または無精子症などで不妊の原因になる。
※AERA 2014年12月22日号より抜粋