池田院長は2001年から男子生徒を対象に性教育の講演を続ける。日々の診療で、男性に正しい性知識を得る機会がないことを痛感しているからだという(撮影/渡邊美穂)
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池田院長は2001年から男子生徒を対象に性教育の講演を続ける。日々の診療で、男性に正しい性知識を得る機会がないことを痛感しているからだという(撮影/渡邊美穂)
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 学校での性教育は女子を中心にしたものになりがちだが、男子への性教育も重要だ。思春期の男子が正しく「気にするべきこと」とは。

 泌尿器科と婦人科を併設する池田クリニック(本県合志市)の池田稔院長は、地元の中学や高校で男子を対象に性教育の講演をしている。学校での性教育は女子が中心で、家庭では放任のケースが多い。

「性の相談は、女子なら産婦人科ということは常識ですが、男子が泌尿器科だとは知らない人が多い」

 心配しなくていいことで悩む人が多いのは「包茎」。母親が気にするケースも多い。

「今は包茎を治す軟膏もあります。手術が必要なほどの人は真性包茎のうち1割程度では。手術はできる限りしないでいいと思います」

 思春期の男子たちが、正しく気にすべきことは「ペニスの大きさより、精巣(睾丸)の大きさ」だという。成人の睾丸の8割は精子を作る細胞で、2割は男性ホルモンを作る細胞。いずれも生殖に重要だ。思春期前には容積2ミリリットル程度の睾丸が、成人で約10倍の15~20ミリリットルまで大きくならないと、乏精子症または無精子症などで不妊の原因になる。

AERA  2014年12月22日号より抜粋