ここのところ相次いでいる、豪雨や土砂災害などの報道。土砂崩れで自宅が被災したら、保険で補償されるのか。見落としがちな保険のチェックポイントを紹介する。
集中豪雨や台風によって家屋が損壊した場合などに頼りになるのは、火災保険だ。火災保険は通常、「火災」「落雷」「破裂・爆発」「風災・雹(ひょう)災・雪災」「水災」「水漏れ」「物体の落下・飛来・衝突」「盗難」「破損・汚損等」などで構成されるが、保険会社や保険商品によって組み立て方は異なる。
この中で、台風や豪雨が原因 の土砂崩れによる被害が対象になるのは「水災」だ。ただ、特に都市部で火災保険加入時に「水災」補償を加えている人は多くない。
ファイナンシャルプランナーの平野敦之さんは、「なるべく保険料を安くしたい、というのが契約者の本音。自然災害が増えても自分の家だけは大丈夫、という意識の人はまだ多い。でも、住まいの地形や周辺環境をよく確認する必要があります」と指摘する。
水災補償を付けると、どれくらい保険料が上がるのか。個別に付け外しできる組み立て型もあれば、最初から組み込まれているプラン型もある。ある保険会社でインターネット見積もりをしてみると、建物保険金額2千万円(戸建て)で、5年一括払いをする場合、前述した補償などをすべて含むフルカバーの保険料は6万4400円で、そのうち水災の補償の保険料は、1万4600円となっている。
土砂災害では、建物と同時に家財も損壊してしまう場合が一般的だ。だが、火災保険で家財保険には入っておらず、被災してから後悔する人も少なくない。
「家財保険も加入していれば、家財再取得の義務はないため生活費に保険金を回すこともでき、生活再建のしやすさが大きく変わってきます」(「保険情報サービス」の竹中延公社長)
※AERA 2014年9月8日号より抜粋