職場での査定評価はビジネスパーソンの人生を左右しかねない問題。あれこれ知恵を絞り、なおかつ周囲に嫌われずに査定を上げる術はないものか?職場の「達人」たちに、秘策を聞いた。
人材関連会社勤務のユカリさん(36)は、日頃から一次評価者の女性上司をよくランチに誘う。そこでの会話の中身が特徴的だ。
「同期や私と同じ年代しか知らない極秘情報を、ちらちらと漏らしてあげるんです」
つまり、ユカリさんの元に集まった社内ゴシップを開陳する。
「上司と同じ年代の違う部署のA部長は、B局長の取り巻きとされているが、実はC局長の回し者だとか。こういうネタって、意外に違う年代の社員の間で出回ることが多いんです。ウチの会社の場合、部長クラス以上は派閥の動きを知っておくことが業務を円滑に進めるために欠かせないので、こういう情報を小出しかつ継続的にボスに進呈すると、確実に評価は上がりやすい」(ユカリさん)
ユカリさんは同期や同僚の悪口は言わない。「上司が欲しがる情報を提供することで、私はあなたにとって役に立つ人間だとアピールしている」のだ。
USENの元取締役で、『「理不尽な評価」に怒りを感じたら読む本』(ダイヤモンド社)著者の藤本篤志さん(53)によると、上司に「えこひいきされる人間」の3カ条は、
1、上司が飲みたい時にすぐお供する、人が嫌がる仕事も引き受ける「便利な人間」
2、仕事の実力者であり難儀な仕事をこなせる「役立つ人間」
3、部内の飲み会の盛り上げ役など「和む人間」
自分はそのいずれかの人間だ、と印象付けることが、極めて重要だという。
上司にえこひいきされれば、評価はグンと上がる。「『2–4の法則』といって、上司はお気に入りの人間には、最初から基礎点として4点を与え、そうではない人間には2点を中心に加点していく行動原則があります」(藤本さん)
※AERA 2014年9月1日号より抜粋