●質問 「手伝うね」に激怒

 子どもが生まれて間もないころ、「僕も手伝うね」と言ったら、すごく怒られました。とくに意識もなく言ったのですが、「手伝う」はあくまでも主体が別にいて、「フォローするよ」という意味で、夫婦平等に働いているんだから、せめて「協力するね」でしょ!、と。そんなに細かい言い回しまで気をつけなければいけないのでしょうか(長野県/43歳/会社員)

【回答】
 明らかに妻はいま、不機嫌ね。不機嫌である理由が必要だから言っているだけで、「ごめん悪気はなかったんだよ」と、さらっとポジティブに聞き流しておけばいい。あとは、この時だけじゃなくて、今までのいろいろな出来事が積み重なって、コップから水が溢れたという可能性もあるわね。あの時もやってくれなかった、これもしてもらえなかったのは、そもそも夫が主体的ではないからだ、と。とはいえ、水が溢れてから突然言われると、言われたほうは何のことか見当がつかなかったり、「今までは何だったのだ」とガビーンとなったりしてしまうから、本来はちょっと気になることがあるたびに、軌道修正してもらったほうがいいのよね。夫婦のベクトルのささいな食い違いが表面化して、まだ自分が冷静でいられる間に少しずつ方向を直していくこと。けっこう大切なのよ。参考になったかしら?

●質問 「何かあったらどうするの」

 妻は完璧主義。子どもが疲れて寝ているのに、起こしてまで歯磨きをさせます。私が「1日ぐらいいいじゃないか」と言うと、「虫歯になって歯医者につれていくのは私(妻)なんだから」と怒りだします。言っていることは分からないでもないのですが、なぜそこまで?(大阪府/46歳/会社員)

【回答】
 これは子育てというジャンルに関しての妻の縄張り意識からきているわね。本来、社会では男性のほうが縄張り意識があるけど、家事や育児、教育に関しては女性のほうが強いの。仕事でなかなか本来の力を発揮できず、外的な承認を得る機会が少ない女性は、いっそうその傾向が強い。そうすると、家の中で目に見える形で自己承認欲求を満たさなければならず、その欲求不満も強くなる。夫がたまにしかやらないのに、妻の方針をガラガラと崩すのは耐えられないのよ。

 この妻はやや強迫的な傾向が強いけど、例えば、子どもがつらい思いをすることで歯を磨く大切さを覚えさせたい。そういう厳しさも教育方針だというのなら、夫婦で普段から話しあっておけばいいのよね。主導権は妻だとしても、教育方針はこう、求める水準はこうだと夫婦で話をすると、そういう積み重ねがパートナーだという意識を高める。アテクシはここに夫婦の本質的でクリエーティブなパートナーシップが存在すると思うのよ。素敵じゃない。参考になったかしら?

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