平均寿命まで生きるとして、まだあと40年。年金だって、支給されるのか、あやふやだ。
そんな将来の不安を抱えて生きている40代、独身の女性たちのつぶやき。
「いつまで働いたらいいの」の声に迫ってみた。(ライター・樋田敦子)
男女雇用機会均等法の第1世代は、現在46歳から50歳。今なお働き続けるアラフォーシングル女性たちは、責任を背負わされ、超多忙な日々を送る。彼女たちの頭をよぎるのは「いつまで働かなければいけないの」という疑問だ。働かなければ生活していけないのは分かっているのだが……。
「パートナーでもいれば心強くていいのでしょうが、1人だと先行きが不安で怖い。毎日のように、いつまでこんな生活を続けるのだろうかと考えます」
こう話すのは、航空系の会社に総合職として入社し、40歳を機に退職、その後、美容関連の商品を扱う会社を起業した池田和子さん(49歳、仮名)だ。池田さんはバツイチ。都内の高層マンションに70代の母親と2人で暮らしている。
前の会社もそれなりにやりがいはあったが、マネジャーとして役員との報告会議に出席すると、発言の機会を与えてくれなかった。
「女性は私一人。顧客と直接対峙する私は、発言したいことが山ほどあるのに遮られて。この会社の限界を感じて辞めました」
●原因は極度のストレス
起こした会社は、通販などで年々売り上げを伸ばし、パートも含め4人の社員を抱えるまでに成長した。“成功”を手にしたはずの彼女だが、不安になるのにはいくつかの理由がある。まずは仕事がこのままあるのかということ。
そして最近加わったのは健康面の不安だ。池田さんは4月に呼吸不全で緊急入院し、検査したところ肺炎、気管支炎、胃潰瘍、逆流性食道炎であることが判明。原因は極度のストレスだと医師から説明された。
「サラリーマンだって会社が倒産することもあるし、仕事の心配は取り越し苦労なのですが、それも健康でいられれば、という条件つき。家のローンもあるし、母もいる。毎日の仕事で精いっぱいで、せいぜい考えられるのは、1週間先のことくらい。5年先、10年先を見据えられないことも不安を助長させるのでしょうね」