浪人生にとっては来季に向けて動き出す季節がやって来た。家で勉強したり、予備校に通ったりと方法は人によって異なるが、予備校には勉強以外のメリットがある。

 浪人生が予備校の授業を受講するメリットとして、情報収集できることがあげられる。

 来春から新課程入試が始まり、数学と理科が新課程対応の出題に変わる。センター試験は、浪人生は1年だけ旧課程で受験できる経過措置があるのだが、一方で新課程で受けるという選択肢もある。かつて共通1次とセンター試験の各初年度は全般的に問題が簡単だったため、新課程で受験したほうが有利なのではないかという見方もあり、どちらがいいのか揺れ動くところだ。こんなとき、予備校では、各大学の発表を受けて予備校独自の分析、研究によって、新課程入試の対策が講じられるから、活用したい。

 東大に合格した受験生のなかには、情報を収集するために、メーンで通う予備校のほかに、1科目だけほかの予備校で受講したという人もいる。

 さらに、予備校に通うメリットとして、自習室で勉強できることもあげられる。自宅での勉強で成果があがる受験生もいるが、緊張感がなくなって勉強が進まないという受験生は、周りがすべて受験生という環境で勉強するといいだろう。

 同様の理由で、小林氏は、金銭的に余裕があれば予備校の寮に入ることを勧める。

「周りが受験生なので、同じ目標に向かって切磋琢磨することができるし、浪人生ならではの不安や悩みを共有することができます」

 中・高時代に寮に入っていた代ゼミの漆原講師も、「勉強の話ができる友人」の大切さを強調する。

「食事中、入浴中に友達とした勉強の話は、記憶に残りました」

AERA 2014年4月14日号より抜粋