■西尾中学校のある日の給食豆腐ハンバーグのおろしソース奥三河鶏のひき肉、西尾豆腐、人参、レンコン、玉葱など野菜がたっぷり入った豆腐ハンバーグ。甘辛く味付けした大根おろしのソースをたっぷりかけて切り干し大根ときゅうりの中華和え切り干し大根、三河みどり(きゅうり)、人参、キャベツ、じゃこなどをごましょうゆの中華ドレッシングで和えて仕上げる。歯ごたえあり、切り干し大根のうまみとごまの風味が相性抜群すり身団子と麸のすまし汁地元の蒲鉾店と共同で開発した「人参レンコン入りすり身団子」が入った麸のすまし汁。鰹節でしっかりとだしをきかせて薄味で仕上げる。小松菜、白菜、人参、ねぎなど野菜もたっぷり入り、それぞれのうまみが味わえるあさりのごはんあさり、油揚げ、ごぼう、人参、干し椎茸、三つ葉などが入った具を作り、白飯に混ぜる西尾抹茶シューアイス西尾の抹茶を使用したシューアイス。割ると中身は色鮮やかな黄緑色。食べると抹茶の風味がひんやりと口の中に広がる(撮影/写真部・慎芝賢)
■西尾中学校のある日の給食
豆腐ハンバーグのおろしソース
奥三河鶏のひき肉、西尾豆腐、人参、レンコン、玉葱など野菜がたっぷり入った豆腐ハンバーグ。甘辛く味付けした大根おろしのソースをたっぷりかけて
切り干し大根ときゅうりの中華和え
切り干し大根、三河みどり(きゅうり)、人参、キャベツ、じゃこなどをごましょうゆの中華ドレッシングで和えて仕上げる。歯ごたえあり、切り干し大根のうまみとごまの風味が相性抜群
すり身団子と麸のすまし汁
地元の蒲鉾店と共同で開発した「人参レンコン入りすり身団子」が入った麸のすまし汁。鰹節でしっかりとだしをきかせて薄味で仕上げる。小松菜、白菜、人参、ねぎなど野菜もたっぷり入り、それぞれのうまみが味わえる
あさりのごはん
あさり、油揚げ、ごぼう、人参、干し椎茸、三つ葉などが入った具を作り、白飯に混ぜる
西尾抹茶シューアイス
西尾の抹茶を使用したシューアイス。割ると中身は色鮮やかな黄緑色。食べると抹茶の風味がひんやりと口の中に広がる(撮影/写真部・慎芝賢)
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 ひと昔前なら、「おいしくない」「冷えている」が定番だった給食が激変している。地元の特産品を使うだけでなく、おいしさにもこだわり、食への関心を高める工夫が満載だ。

 名古屋から南へ私鉄で約1時間。三河湾に面した「西尾」に着いた。駅に置かれた地域特産品のパンフレット類の豊富さを見ただけで、この地の食材の豊穣さがわかる。「一色のうなぎ」「さかな広場」「抹茶」等々。

 これらを生かした給食のメニューを開発しているのが、市立西尾中学校の栄養教諭・冨田直美さんだ。同中に赴任して3年目から「あったらいいな、こんな給食」という食育の授業を展開している。地元産大豆でできたおからを使った「地元野菜の照り焼きつくね」は生徒が考えたメニューをアレンジした。「抹茶大福」も地元業者と給食用に開発した。

「家庭科の授業の中で生徒に地元の食材を使ったメニューを考えてもらいます。カロリーや栄養価の計算だけでなく、地元産の食材の豊富さを子どもたちにも知ってほしいからです」

 取材当日のメニューは、2年3組6班が考えた地元産の人参やレンコンが入った豆腐ヘルシーハンバーグ、三河湾でとれるニギスのお吸い物、抹茶アイスクリーム。アイスは溶けないように、給食が始まる時間に調理員が各教室に配っていた。

「おいしいね」「自分たちで考えたメニューだから、家よりもたくさん食べられる」と、子どもたちも嬉しそうだ。毎日、残飯のチェックをしているが、この取り組みを始めてから、残飯量も減ってきたという。

 さらに冨田さんは、こうしてできたメニューを近くの道の駅で販売したり、弁当にしたりして売り出そうとも考えている。

「西尾の市民のみなさんにも、この地の食材の豊かさを知ってもらいたいからです」

AERA  2014年2月10日号より抜粋