どてらにハチマキ姿、机には赤本が積み重なって…というのは昔の話。スマホとネットのおかげで、受験勉強のスタイルは大きく変化した。オンライン予備校、スマホアプリなどの数がここ1、2年でぐっと増えたのである。高校生のスマホ所持率は77%にも達し(全国高等学校長協会調べ)、小さい頃からパソコンに触れて育ったデジタルネイティブたちは、YouTubeなどの動画サイトにも日常的にアクセスする。ネット使用には何の抵抗感もないうえ、冬季講習に通えば、数万円は軽くかかってしまう受講費が、ネットを使えば安く抑えられるのだ。
受験生に人気のネットサービスの特徴は、豊富な「過去問」と「講義動画」。これを低価格で提供し、受験生の3人に1人が登録しているという鉄板教材になりつつあるのがリクルートの「受験サプリ」だ。今年度の受験生会員は現在20万人。全国100大学の過去問と解答/解説を無料でダウンロードできる。
一問一答式で解く、センター試験の過去問最新5.年分15科目や、すぐに採点結果がわかるセンター模試、これらも無料。月980円の有料会員になれば、著書累計49万部の関正生(せきまさお)先生(英語)を始め、名だたる講師たちの講義動画が見放題になる。地方や海外に住んでいる受験生にとっても、強い味方だ。
受験サプリ編集長の松尾慎治氏によれば、パソコンからの利用が約3割、スマホからの利用が7割に上るという。
「今の時期、利用者数が増えているのが、センター対策講座です。時間を有効に使いたいという受験生が多く、1.4倍速の動画が人気です」(松尾氏)
暗記重視でなく、その科目の本質を教える先生、という視点で選んだ講師陣の授業満足度は、5点満点中平均4.8点と、利用者の評価も高い。
※AERA 2013年11月18日号より抜粋