集中して仕事をした後、いつも首がこってつらい。肩こりならぬ、首こりに悩む人は多い。でも、どうしたらいいか分からない。マッサージ、湿布…。解消グッズを前に、悩んでいる方の声に応えます。
首こりは神経や筋肉の器質的な異常ではなく、検査をしても異常が見つからない。それでも首が痛く、重い状態は続く。そのつらさを周囲の人たちが分かってくれないことも多く、首こりを持った人の苦しみは深くなる。
症状を改善するにはどうしたらよいのか。ドラッグストアや薬局に行けば温湿布・冷湿布から、磁気ネックレスまでさまざまな「解消グッズ」がある。いったい温めるのがよいのか、冷やしたらいいのかわからなくなる。稲毛整形外科(千葉市)の南出正順院長に聞いた。
「首がこっている場合は温め、痛みが強い場合は冷やすのが原則です」
マッサージやカイロプラクティックはどうなのか。
「マッサージやカイロプラクティックで強い圧力を首に受けると、直後はこりは取れるが、次の日はより悪くなることもある。首の後ろの筋肉は脳と同じように繊細です。無理な刺激はよくありません」(松井医師)
就寝時の枕によって首のこりが改善に向かうとアドバイスするのは、16号整形外科(相模原市)の山田朱織(しゅおり)院長だ。
「首の神経を安静にし、寝返りをうちやすい枕にするのがいい。睡眠環境を整えられるし、首こりもよくなります」
山田院長の実験などによると床と首の角度が概ね15度前後になる枕が最も快適度が高く、首こり解消につながるという。
小指に湿布を貼ることで首こりが改善する、と言うのは『かんたん自律神経健康法』の著者、安田医院(京都市)の安田譲院長(神経内科)だ。自身の息子がテニス肘になったので、試しに小指全体や手に湿布を貼ってみた。その結果、テニス肘は4、5日で軽快。この経験をヒントに首こりや肩こりの患者や病院の看護師などに試したところ、首筋のこりが改善したという。現在も患者に、小指湿布を行っている。
「湿布薬で小指の力が抜けると首すじの筋肉のこりがほぐれることは経験で分かっています」
※AERA 2013年10月21日号