消費増税などで負担が増え、家庭では節約が必要な場面が増えるが、一方で削るのが難しいのが教育費。そこで、森上教育研究所・森上展安代表に「塾いらずで家計にやさしい中高一貫校の選び方」を聞いた。

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 東京なら桜修館や白鷗、両国、小石川などの公立中高一貫校から国立大学、というのが費用的には理想ですが、倍率も非常に高い。では、中学受験時に高い学力がなくても、できるだけお金をかけず有名大学に進学する方法を、首都圏で考えてみましょう。

 一つは志望校の偏差値を5ポイントほど下げて特別奨学生制度などを利用する方法です。足立学園、佼成学園、郁文館、かえつ有明、駒込などは午後受験を利用して併願が可能。ほかにも近年多くの私立中学で、このような制度で学費や入学金を免除している。特別にサポートされ、期待されて伸びる子は多いのです。

 入学時にずば抜けてはいない学力でも、6年後に高く伸ばしてくれる学校はお得な学校です。大学合格実績や、卒業時の偏差値と中学入試の偏差値を比較・分析した弊社の12年のデータを見ると、偏差値が55以上の私立中学で学力の伸びが高かった学校は世田谷学園、高輪、攻玉社。東大や京大といった難関国立大学に合格している。早慶上智が目標であれば、暁星国際や開智、桐蔭学園、国学院大久我山、頌栄女子学院など。

 比較的、短期間の受験準備で入学でき、入学後も個別指導があり、塾や予備校に行かなくてもすむ。そんな学校なら私立中高一貫校を選んでも教育費をやりくりできるのでは。

 東大だけを目標に莫大なお金を使う道が最良とは限らない。多様な人材が求められる社会です。奨学金の制度がより充実している海外の大学も視野に入れて、学校を選んでみてください。

AERA 2012年10月29日号