「保守中道」を自認する武井氏だが、“安倍1強”の中、いまの自民党内からは異論が出にくくなっている気もする。

「自民党にも多様性というものが昔からずっとあります。確かに『右』の人たちが目立つようなところもありますが、全体ではないんだぞ、ということも伝えていきたい。私のような発言をしても、クビにならずにいられるんだということも伝えたいですね」

 改憲についても思い切った発言が目立った。いま、安倍政権は改憲論議を加速させている。自民党は「改憲4項目」―(1)9条への自衛隊明記(2)緊急事態条項(3)参院選・合区の解消(4)高等教育の無償化―を示した。武井氏はこれについてもツイートし、意見表明した。

<わが党が憲法改正論議に臨むのであれば、野党時代の平成24年に策定した憲法改正草案は総務会にかけて正式に廃止すべき。今なお党憲法改正推進本部のホームページ冒頭にこれを置いて4項目を議論といっても衣の下に鎧の如き>

 武井氏が心中を明かす。

「党が作った憲法改正草案の取り扱いについて、きちんとするべきだということを常に言ってきました。あの条文には、国防軍の保持とかメチャクチャ『右』なことが書いてあるじゃないですか。これから4項目に絞って、他党に呼び掛けて改憲論議を本当にしていこうと思うのなら、まずは草案を廃止するべきだと思います。それを棚上げにして『歴史的文書』として扱うとか、意味が分かりません。草案を抱えながら改憲できると思うほうがおかしいと思います」

 SNSでの発信が注目された一年だったが、2020年の抱負は何か。

「共感して頂いた方たちもいて、そこから始まったご縁もあります。苦しいこともありましたが、思わぬ人が助けてくれるなど新しい出会いもたくさんありました。私はやはり観光業出身ですから、韓国との関係で言えば一般の国民同士の交流を増やしていきたい。何とか来年は関係改善していけるようにしっかりと取り組みたいと思います」

(本誌・亀井洋志)

※週刊朝日オンライン限定記事

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