放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は老眼鏡「ピントグラス」。
【写真】オシャレな老眼鏡をかけてポーズをきめる「純烈」のメンバー
* * *
少子高齢化は芸能界とて同じ。まぁ、長年、第一線で活躍している人たちが多いことは視聴者の皆さんの励みにもなっているだろう。けれど、高齢の出演者が多いと、若いスタッフたちは何かと気を遣わなければならないことも。
芸能人は見た目が若々しいので、言われなければ気づかないのだけれど、たとえばバラエティーの現場でよく聞かれるのが「カンペの字が小さくて読めないので、大きくするか、もっと近くで見せてほしい」「手カンペ(手持ちのカンペ)の文字をもう少し大きくしてくれないか」などだ。つまり、それほど老眼の出演者が多いということである。
確かに、台本のQ数(文字の大きさ)は昔と変わらないし、VTRやスタジオの様子を映すモニターの大きさも限られている。フロアディレクターやADが示すマジックで記された“カンペ”は、A3サイズのスケッチブック1ページに必要なことを盛り込むため、それなりの文字サイズである。もちろん、何枚にも分けて書いて、ページをめくっていく……ということもする。しかし、出演者の喋るタイミングと、ディレクターがスケッチブックをめくるタイミングがピタリと合うことは少なく、見ていてヒヤヒヤしてしまう。
そんな現場で最近、見かけたのが「ピントグラス」なる老眼鏡。イメージモデルが「純烈」の4人ということで、演歌の大御所の間でも広まりつつあると聞く。