[左から]料理研究家・浜内千波さん(はまうち・ちなみ)家庭料理の基本と工夫を教える「ファミリークッキングスクール」を30年以上前から主宰。著書は400冊以上におよぶ。(写真・提供)/料理研究家・本田明子さん(ほんだ・あきこ)師匠、故・小林カツ代氏のレシピをシニア世代向けに食べやすく改良した『一生食べたいカツ代流レシピ』が話題。(撮影・福地大亮)
[左から]料理研究家・浜内千波さん(はまうち・ちなみ)家庭料理の基本と工夫を教える「ファミリークッキングスクール」を30年以上前から主宰。著書は400冊以上におよぶ。(写真・提供)/料理研究家・本田明子さん(ほんだ・あきこ)師匠、故・小林カツ代氏のレシピをシニア世代向けに食べやすく改良した『一生食べたいカツ代流レシピ』が話題。(撮影・福地大亮)
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<浜内さんの鍋>やわらかむね肉の大根鍋/白菜と豚肉の塩昆布鍋 (料理撮影/写真部・小黒冴夏 週刊朝日2019年12月13日号より)
<浜内さんの鍋>やわらかむね肉の大根鍋/白菜と豚肉の塩昆布鍋 (料理撮影/写真部・小黒冴夏 週刊朝日2019年12月13日号より)
<本田さんの鍋>ぶりとかぶの陳皮雪鍋/芋煮鍋 (料理撮影/写真部・小黒冴夏 週刊朝日2019年12月13日号より)
<本田さんの鍋>ぶりとかぶの陳皮雪鍋/芋煮鍋 (料理撮影/写真部・小黒冴夏 週刊朝日2019年12月13日号より)

 今年も、テレビでおなじみの料理研究家の方々と“鍋の季節の便利帖”を作ってみました。簡単ヘルシー鍋、ちょっと贅沢なひとり鍋、ぜひ味わってみてください。ライフジャーナリスト・赤根千鶴子氏がお届けします。

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*  *  *

 鍋には、実にさまざまな楽しみ方がある。たくさんの具材を入れて大勢で鍋をつつくのも楽しいが、もし平日、夫婦2人の夕飯用に鍋をするなら、具材を厳選した簡単な鍋が重宝するだろう。低コストで、しかもすぐに準備ができて、野菜がたっぷり摂れるヘルシー鍋の作り方を知りたいな。そんなリクエストに応えてくれたのは、テレビやCMでおなじみの料理研究家・浜内千波さんだ。

「まずご紹介したいのは、『白菜と豚肉の塩昆布鍋』です。使う具材は白菜と豚肉と塩昆布だけなので、実に手軽に作れる鍋ですよ」

 白菜は旨味成分のひとつ、グルタミン酸が豊富。

「白菜の白い部分を繊維に逆らって薄切りにしていきましょう。旨味がグンと出て、お鍋がおいしくなりますよ。この薄切り白菜はぜひ、豚肉と合わせて召し上がっていただきたいです。豚肉には旨味成分・イノシン酸が豊富ですから、これはまさしく“旨味のコラボレーション鍋”なのです」

 鍋の味は小さじ1の塩と塩昆布でシンプルに調える。

「素材からおいしさが出てくるのですから、あまりだしや調味料は使わずに。やさしい塩味で素材自体のおいしさを味わいましょう」

 薄切りにした白菜は熱でトロンとやわらかくなってくると、本当に美味。

「白菜はビタミンCも豊富ですから、免疫力アップにもつながります。また豚肉は、疲労回復につながるビタミンB1も豊富ですから、この鍋は“冬の健康サポート鍋”として、お役に立つと思います」

 そしてもうひとつ、浜内さんが教えてくれたのは「やわらかむね肉の大根鍋」だ。こちらも簡単に作れる一品。からだにやさしい鍋になるよう、浜内流の工夫がちりばめられている。

「まず大根おろしを作りましょう。そして薄く切った鶏むね肉に、大根おろしの汁を揉み込んでおきます」

 それは、なぜ?

「大根にはプロテアーゼというたんぱく質分解酵素が多く含まれているのです。そこで鶏むね肉に大根おろし汁を揉み込み、肉の表面のたんぱく質を分解して、肉をやわらかくするのです」

 鶏むね肉は高たんぱく低脂肪。疲労回復効果が高い「イミダペプチド」という成分も豊富に含んでいる。

 この鶏むね肉を、ピーラーで削ったたくさんの大根と塩と一緒に煮て、ポン酢とたっぷりの大根おろしでいただく。シンプルだが飽きのこない味。食べている間にからだが芯から温まる。

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