大谷:いや、たまたま釜山国際映画祭という大きな映画祭があって、僕もそこに行ってたときに、ソウルの事務所の人と、日本の今の事務所(アミューズ)の人が出会ったんです。いろいろ話してるうちに、「うちの事務所に日本人がいるんだよ」という話になって、福山(雅治)さんが主演されていたドラマ(「ラヴソング」16年)に途中から出演させていただいたんです。それが日本での1本目のドラマだったんです。
林:そうなんですか。聞いた話ですけど、韓国でのギャラ、間違って1ケタ少なく渡されてたんですって?
大谷:いや、間違ってたんじゃなくて、だまされたんです(笑)。最初のCMがよかったので、以降もけっこうCMが決まったんです。ちょっと複雑なんですけど、日本人モデルとして行ってるので、「日本でのCMのギャラぐらいの額を言っておけば納得するだろう」っていうことだったらしくて、でも、実際はその10倍ぐらいのギャラだったんです。
林:まあ!
大谷:芸能人枠のギャラをもらってるのに、日本の事務所には「日本での新人モデルのギャラ」みたいなことを言ってたんです。わりとほかの仕事もしていたのに、韓国の事務所に「ぜんぜんマイナスだよ」って言われて、おかしいなと思っていたんです。家賃とか語学学校のお金と家庭教師のレッスン代とかを事務所に出してもらってたんですけど、それにしてもマイナスはおかしいんじゃないかと思っていろいろ調べたら、ゼロが1個違ってたんです。
林:ピンハネしてたということですか。
大谷:はい、ソウルの事務所が。
林:ひどいじゃないですか。
大谷:ちょっとありえないことをするんですよね。クライアントとの契約書に偽造したハンコを押して見せたりとか。
林:まあ……。それでイヤな気分になって、日本に帰りたいなと思ったんですか。
大谷:いや、そうはならなかったですね。日本に帰ってきて何があるのかということもあったし、仕事があるからソウルにいたということでもないので、まあ楽しかったんでしょうね、あそこでの生活が。
林:合ってたんですね、性格に。