ドラマ「逃げ恥」でハイスペックなイケメンを演じ、一気にブレークした大谷亮平さん。すでに韓国でキャリアを築いていたことから、“逆輸入俳優”とも称される異色の経歴の持ち主。韓国での驚きの経験とは。作家の林真理子さんが迫ります。
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林:12年向こうにいたということですけど、ご家族は、早く日本に帰ってこいと言わなかったんですか。
大谷:言わなかったです。あきらめてたかもしれないですね。
林:じゃあ、今のご活躍すごくうれしいんじゃないですか。帰ってきてくれるわ、人気者になるわ、「朝ドラ」にも出ちゃうわ。
大谷:うれしいんでしょうけど、一回僕、大病でヤバかったときがあって、「生きてるだけでも」みたいな状態になったので、それをトラウマにさせちゃってる感じがあるんですよね。それがあるので、韓国に行こうが何をしようが、生きてるだけでいいということみたいです。ただ、「健康だけは気をつけなさい」と言われてましたね。「ちゃんと寝られてるの?」とか、野菜とかをいろいろ送ってきたり(笑)。
林:いいお母さまじゃないですか。大谷さんはおもしろい経歴で、まず韓国でブレークしたんですよね。
大谷:というか、スタートがほぼ向こうなんです。
林:韓国語はできたんですか、そのころ。
大谷:いや、まったくできなかったですね。日本でちょっとモデルみたいなのを始めて、すぐ向こうの仕事が決まったんです。
林:CMですね。
大谷:これも運がよくて、一発目のCMがすごく大きなCMだったんですよ。ダンキンドーナツなんですけど、最初はイ・ビョンホンさんがされていたのですが、次のキャラクターは韓国では知られていない人にしようということになって、アジアに広げてオーディションをやって、それでたまたま僕に決まったんですよね。その一本でみんなに知ってもらえて、呼ばれて韓国に行ったんです。
林:そのあと韓国の映画とかドラマにも出たんですね。
大谷:いろいろやらせてもらいましたね。
林:私は大谷さんが出演された韓流ドラマを見てないんですけど、そこから日本でもジワジワと火がついたという感じなんですか。