パレードの前は、警備にあたる赤坂署の警察官もどのくらいの混雑具合かが予想できないと言っていたが、終わってみれば、コース最寄り駅で入場制限をかけなければならなかったほどの人出。警察発表によると、約11万9千人が詰めかけたという。
遠方からやって来た人も、手荷物検査に時間がかかり、パレードの出発に間に合わなくなり、見れなかった人が続出した。
天皇皇后両陛下の即位祝賀パレード「祝賀御列の儀」は10日午後3時、皇居からオープンカーがスタートした。
記者はオープンカーのコースとなっている東京都港区の青山一丁目交差点付近へ出かけた。通過時刻の50分くらい前に地下鉄「青山一丁目」駅に到着。改札口をくぐると人また人。
20分くらいかかって、背中を押されながら歩くことになった。
やっとの思いで地上に出ると、既に手荷物検査所には長い行列ができ、入場制限がかかっていた。
警察官は拡声器で「今から並んでもパレードを見ることはできません」とアナウンス。手荷物検査すらしてもらえない状態となっていた。
その上、沿道に近づくこともできない。
沿道から50メートル以上離れたところにいた都内に住む永野夏実さん(34) は、夫と4歳と7歳の子供2人と来ていた。
「きょうはパレードを見たくて来ました。こんなに人がいて、オープンカーを見ることもできないので、しょうがないです。人の波が凄くて動けませんから、ここでじっとしています。この様子や歓声をSNSへ上げようとしたんですが、SNSもつながらなくなっていました。たくさんの人がスマホを使っているからでしょう」
午後3時頃、 テレビで「雅子さまは出発しました」と一斉に放映していた。
大阪から来たという主婦の大島貞子さん(54)は、スマホでテレビを見ていた。夫と娘と孫とでやって来たという。
「私は雅子さまより1才年下なので、ご婚約のときから折に触れて見ています。夫が単身赴任で東京に住んでいまして、せっかくだから見たいなと思って、大阪から来ました。こんなに近くにいるのに、見えないなんて残念だけど、きょうは雰囲気だけ楽しみます」