台風19号の復旧作業も終わらない中、再び大雨が襲ってきた。
10月25日、台風21号の影響を受けて関東や東北を中心に豪雨となり、千葉県や福島県などで浸水被害が相次いだ。各地で川が氾濫(はんらん)し、避難勧告や避難指示が出された。福島県の高の倉ダム(福島県南相馬市)では、ダム決壊を防ぐための緊急放流が実施された。この大雨による死者・行方不明者は10人を超えそうだ。
千葉県では、半日で1カ月分を上回るような大雨となった。土砂崩れもあり、千葉市内では住宅が押しつぶされ、住民が亡くなった。茂原市では市役所周辺が冠水した。市の職員がこう証言する。
「市役所の目の前を流れる豊田川の水かさが増してきて、25日正午過ぎに橋の高さを超えました。その後、じわじわ水位が増して住宅地に浸水してきました。市役所の近くにある公民館に住民の方々が避難していましたが、午後4時半過ぎには公民館が床上浸水し、停電しました。住民の方々は、公民館から市役所に再び避難する事態になりました」
このように今回の大雨では、各地で急激に川の水位が上昇し、浸水するケースが目立った。
上陸から2週間たった台風19号の被害も大きかった。全国で死者・行方不明者は90人超、河川の堤防決壊は140カ所に上り、住宅被害は床上・床下浸水を含め計7万棟を超えた。
繰り返される水害にはなすすべがないようにも思えるが、安倍晋三首相がよく言うように「国民の生命と財産を守る」のが政府の役目。台風19号では行政のミスや水害対策の遅れが発覚しており、責任が問われる。
台風19号では茨城県内の那珂川で、国土交通省の職員が水が堤防を越えているのを確認しながら、「現場が混乱していた」などとして、氾濫発生情報を出していなかった。
長野県飯山市では避難勧告が遅れ、河川の氾濫から数時間後になった。ほかの自治体でも住民に情報が適切に伝わらず、避難が遅れるケースがあった。