回答結果は、皇室典範改正の質問とほぼ同じで、「賛成」が29%、「反対」が13%、「無回答・回答拒否」が58%だった。
賛成理由は、「悠仁さまに男子が生まれなければ皇位継承者がいなくなるから」(国民民主・徳永エリ)、「(女系天皇を認めなければ)安定した親子継承を望む声が高まり、特定の皇族女性が男子出産のプレッシャーにさらされ続け、苦しみが連鎖する」(立憲民主・山尾志桜里)などだった。
反対理由は、「2千年以上の伝統を守るべき」(自由民主・稲田朋美)、「万世一系の伝統を壊すと、天皇制が全くの別物となる」(自由民主・奥野信亮)など。
安定的な皇位継承の制度をつくるための具体的な案として出ているのは、主に「旧皇族の皇籍復帰」や「女性宮家の創設」だ。現在の制度では女性皇族は結婚すると、皇籍を離れることになっている。
それぞれの賛否を尋ねた結果は、「女性宮家の創設には賛成」は26%、「旧皇族の復帰には賛成」が6%、「どちらにも賛成」が3%、「どちらにも反対」が4%、「無回答・回答拒否」が62%だった。
女性宮家の反対意見としては、「2700年近く存続する伝統の変更には、議論がたりない」(国民民主・関健一郎)、旧皇族の復帰に反対の意見としては「旧皇族の子孫の方々と現皇室の血縁関係は極めて薄く、30親等以上離れている。憲法が定める『世襲』と呼ぶには無理がある」(国民民主・津村啓介)などがあった。
皇室典範の改正や、女系天皇、女性宮家に「賛成」の回答がやや多いが、全体的に無回答・回答拒否が多く、政治家の間でも議論が深まっていない様子がうかがえる。各党の姿勢を見ると、野党のほうが立場を鮮明にしているが、立憲は論点整理をしただけで統一見解ではないという立場。自民や公明、維新は立場を表明していない。
天皇制の議論には独特の難しさを伴う。皇室制度を大きく変えるような議論をすると、天皇制を強く支持する右派から街宣車などで激しい批判を受けたり、身に危険が及んだりすることもある。