テレビショッピング市場は緩やかながらも、拡大傾向を続けているという。テレビショッピングは、商品の「お値打ち感」を打ち出しているのも特徴の一つ。「特別価格」にひかれて、思わず購入してしまった経験がある人も多いだろう。1日だけの特別値引き価格の商品では3億円、4億円も売れることがあるという。
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「お客さんの9割ぐらいが女性で、50代、60代の主婦が圧倒的に多い。商品の品質がいいのはわかっているので、値段がすべて。最初はデビュー価格というお買い得な値段を設定することが多くあります。リアルタイムで放送するほうがよく売れます」(テレビショッピングの番組の現場にたずさわってきたフリーアナウンサーの宮坂珠理さん)
消費者として気になるのは、本当に質がよくて、値段も安い、お買い得な商品ばかりなのかだ。何かからくりがあるのか。
売り手の企業努力の結果、消費者は本当にいい商品を手に入れられる場合もある。テレビショッピングの強みは、数がはけることだという。売る側もそれを前提にしているそうだ。
「化粧品は1時間で1200万円ぐらい売れないと番組が打ち切りになります」(同)
大量に仕入れれば、その分価格を抑えることができる。さらに、テレビショッピングはそれを、長い期間かけて売るのではなく、多くの人に訴求できる放送という手段によって短期間で売るのが特徴。視聴者が一気に買う「BUYING POWER(バイイングパワー)」があるから、お値打ち価格を可能にしている側面があるのだ。
例えば、米国でダイヤモンドの買い付け規模は、ティファニーが一番多く、それに次ぐのがテレビショッピング業界という。テレビショッピングはそれほど大きな存在感がある。
「テレビのバイイングパワーでたくさんの人が買うので一気にはけます。業者側は大量に仕入れてコストを抑えることができます。玉石混交ではありますが、消費者にはお得なケースもあります」(業界動向や消費者行動に詳しい通販評論家の村山らむねさん)