何となく夏からの疲れが抜けず、体がだるい──。そんな人は“秋バテ”かも。
「秋バテとは急な気温や気圧の変化で生じた体の不調のこと。年々、夏の暑さが厳しくなり、秋バテの症状が深刻化しています」
こう話すのは、薬剤師で鍼灸師(しんきゅうし)の平地治美さん(和光治療院・漢方薬局代表)。「たかが秋バテと放っておかないこと。うつや感染症などにかかるリスクが高まりますし、老化を促進する原因にもなります」
東洋医学的に秋バテは、生きていく上で必要なエネルギーや水分が不足する状態だ。夏の間、冷たい食べ物や水分の取りすぎなどで胃腸が弱り、食べ物をエネルギーに変える力や、水分バランスを整える力が低下。その結果、だるさや疲労、食欲不振といった多様な症状が現れる。過度な冷房も症状を助長し、高齢者では頭痛や腰痛といった痛みを訴えることもあるそうだ。
「こんなときは、元気を出そうと精のつくステーキやウナギなどを食べようと思いがちですが、逆に胃腸の疲れが増すのでダメです」
と平地さん。オススメはホットミルク。牛乳が飲めない人は、湯豆腐など消化のよい温かい食べ物を。腹八分目にとどめ、飲み物も体温より温かいものにする。