【やり方】


(1)胸の前で両手を組み、ゆっくり呼吸する。息をゆっくり吸いながら、背中を丸め腕を前に伸ばしていく。おなかをへこませ、大きなボールを抱えるようなイメージで重心をかかとに置いて、ひざを軽く曲げると体が安定する。
(2)息をゆっくり吐きながら元の姿勢に戻す。

7.腹部・体側のストレッチ【吐く筋肉】:息を吐くときに使う呼息筋は、胸の横から脇腹にかけての筋肉。ここを伸ばすコツは、腰を曲げたり体をねじったりせずに、上体を真上に伸ばすイメージで行うこと。しっかり伸ばせば、吐く筋肉がほぐれる。

【やり方】
(1)片方の手を頭の後ろに当てて、息をゆっくり吸う。
(2)息をゆっくり吐きながら、ひじを持ち上げるように体の側面を伸ばしていく。ひじからかかとまでが一直線になるように伸ばす。

8.胸壁のストレッチ【吐く筋肉】:胸壁の呼息筋を柔らかくほぐしていく。左右の肩甲骨を中央に引き寄せるつもりで。特に、胸を張りにくい人、肩甲骨まわりの筋肉が硬くて動きにくい人は、念入りに行う。

【やり方】
(1)腰の後ろで両手を組み、ゆっくり息を吸う。
(2)息をゆっくり吐きながら、両腕を下へ伸ばしていく。元の姿勢に戻し、ゆっくり呼吸する。手を後ろに引き下げながら、胸を張るような体勢で。無理な場合は後ろで手を組まずに行う。

 呼吸筋ストレッチは、いつ何回やってもいいが、朝晩の習慣にするなど毎日続けること。毎日のストレッチのときに吸ったり吐いたりしているうちに、だんだん呼吸が深くなっていく。ゆったりした音楽に合わせてやるのもいい。本間さんによると、60代の女性にこのストレッチを試してもらったところ、1週間で肺年齢が10歳若返ったそうだ。

 息がうまく吸えない人、吐けない人、呼吸が浅く、速くなる人は、ストレスを抱えていることも多い。これには大脳皮質の内側にある大脳辺縁系が関係している。

「辺縁系の中に感情をつくるセンターがあり、その一次中枢が扁桃体です。扁桃体の神経活動は呼吸のリズムで動き、それに乗って感情が出てくる。呼吸と感情は一体。感情が変わると呼吸が変わり、呼吸が変わると感情も変わるんです」(同)

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