放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は情報番組「スッキリ」について。
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日本テレビ系列の朝の情報番組「スッキリ」。視聴者として昔からこの番組が好きです。2006年4月に始まりましたが、フジテレビ系列のバラエティー番組「めちゃイケ(通称)」の会議で、総監督から「今度、加藤が」と、お笑いコンビ「極楽とんぼ」の加藤浩次さんが、「スッキリ」の司会をやることを聞かされました。しかも帯。めちゃくちゃ驚きました。正直、当初は、加藤さんが朝からセンターで司会をしていることに違和感を感じました。だけど横にいるテリー伊藤さんが怒って噛みつき、それを加藤さんが止めたり、注意したり。そのコンビネーションがどんどん癖になっていきました。
15年、テリーさんが番組を卒業しました。「スッキリ」を見ていた僕としては、勝手に心配していました。テリーさんは、わざと噛みついていた部分もあったでしょうから、その人がいなくなると、そこも加藤さんがやらなきゃいけなくなるんじゃないかと。
16年からはまさかの、お笑いコンビ「ハリセンボン」の近藤春菜ちゃんが加藤さんとパートナーを組むことに。とても意外なチョイス。テリーさんが抜けてからは、番組の「味」が変わりました。番組を見ていて、春菜ちゃんはきっと大変な思いでやっているだろうなと思っていました。しばらくは、春菜ちゃんの良さが出し切れていないし、なかなか出すこともできない。加藤さんと春菜ちゃんの二人のコンビネーションも、もちろん悪いわけではないけど、なんか手探りしている感じが伝わった。
だけど、すごいもので、番組が続くと、春菜ちゃんの、情報番組をやることへの覚悟が大きくなっていく。テレビで一つのニュースに対してコメントすることはとても大きな責任を背負います。もしかしたらそれで大きく傷つく人もいる。春菜ちゃんにテリーさんのようなコメントは似合わない。だけど、時間をかけて春菜ちゃんらしさを出し、ハッキリ自分の思いを言うようになってきた。