鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中
鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中
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萩本欽一さん (c)朝日新聞社
萩本欽一さん (c)朝日新聞社

 放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は「『欽ちゃん』から見える会社としての美学とは」。

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 芸能界の様々なニュースが流れる。本当に何かが変わるのかもしれない。そんなニュースたちの中で「忖度」という言葉を度々目にする。この2年で、一番メジャーに使われるようになった日本語ではなかろうか?

 僕はAbemaTVにて「新しい地図」が月に一度生放送で配信している「7.2新しい別の窓(ななにー)」という番組の構成をさせてもらっている。元々は2017年11月に生配信されて、爆風を起こした「72時間ホンネテレビ」がきっかけとなり、18年4月から月に一度、7.2時間生で番組をお届けしているのだ。番組開始から1年と3カ月以上がたち、本当にたくさんのゲストの方に登場していただき、番組を彩っていただいている。

 で、今日僕が書きたいのは「忖度」である。忖度なんて、生きてたら大なり小なり当然してしまうものだ。僕は「忖度をしない人たち」について書いている人があまりに少ないので、それを書きたいと思う。

 そもそも「ななにー」に対して、事務所サイドが「忖度」しているのかどうかもわからない。地上波のテレビ番組ではないので、それに対してスケジュールを切らないという判断も当然あると思う。が、そんな中で進んで出てくれている事務所のジャッジと出演者の気持ちに本当に感謝している。

 一番出演してくれているのは、浅井企画の方々です。特にキャイ~ン。元々は香取慎吾君と一緒にやっていた「天声慎吾」からの付き合い。本当に仲の良さがうかがえるし、3人のやり取りを見ていると微笑ましい。なれ合いすぎない友情がそこにあって、憧れてしまう。

 キャイ~ンは番組開始当初からほとんど出てくれている。出演のオファーをかけたときに、二つ返事でOKしてくれた。会議でその返事を聞いたときに、胸が熱くなった。

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