また“なんとなくずっと飲む”ということをやめることも大切だ。
「なんとなく手もちぶさただから、たばこをずっと吸い続けてしまう。これが体にとって一番よくないことであるように、アルコールもなんとなく飲み続けることがよくないのです。お酒の適正量というものは個人の体質などによっても全然違いますが、厚生労働省が示す指標では『節度ある適正な飲酒』は1日平均純アルコールで約20gです。ビールなら中瓶<500ミリリットル>1本、日本酒なら1合<180ミリリットル>、ワインなら4分の1本。これはお酒好きな人からすれば少なく感じる量だと思いますが、目安として覚えて、“飲みすぎ”を抑えるといいでしょう」
休肝日をもうけることよりも、日々摂取するお酒の量を減らす意識を持ってほしい、と浅部医師は言う。
「休肝日をむりやり作って、皆がお酒を飲んでいるときに自分だけ飲めないとストレスがたまるでしょう。そこで別の日にその分飲んでしまったら、本末転倒です。毎日飲んでもかまいません。ただ、お酒だけを飲み続けることはないのです」
浅部医師自身は、酒席に参加したときは乾杯はビールでもそのあと一度ウーロン茶を飲むようにして、摂取するお酒の量を抑えるようにしているという。
「このほうが二日酔いなどにもなりませんので」
水分の摂取は、脱水状態を避けるためにも必要だ。
「アルコールには利尿作用がありますから、必要以上に体から水分が出てしまいます。それを補うために水分は必要ですし、これからの季節は暑くて汗をかきますから、特に意識して水分を摂取したいものです」
体の老化と共に、人間の体はのどの渇きを感じにくくなってくる。
「だからといって水分を摂取しないでいると、脱水症で突然バタンと倒れることになりかねません」
夏はバーベキュー等、屋外で飲む機会も多いもの。
「屋外でお酒を飲むときこそ、要注意です。肝臓も体全体も、ケアするよう心がけたいですね」
※週刊朝日 2019年7月12日号より抜粋
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