岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
この記事の写真をすべて見る
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、キプロス島・トロードス山脈の「永いつきあいだ猫(にゃん)」です。

【今週の猫の写真はこちら】

*  *  *

 司祭が姿を現すと四方から猫が集まってきた。エサは残飯。といっても肉の塊が入ったビーフシチューだ。

 キプロス島のキッコー修道院は山の中にあり、ヘビやネズミに困って迷い猫を保護したのがきっかけと聞く。廊下の壁の天地創造の絵にも猫を見つけて嬉しくなった。

 この島では猫は古くから大事にされていた。シロウロカンボス遺跡にある約9500年前の墓では、人と一緒に埋葬された猫が見つかっている。地中海の真ん中で、猫と人が共に紡いできた永い歳月に思いを馳せた。

デジタル岩合
http://www.digitaliwago.com/

週刊朝日  2019年6月7日号