使用が一般的になりつつある健康サプリ。メドピア社協力の医師300人アンケート第2弾では医師の36%が摂っているという結果も。栄養素やサプリメントに詳しい、内科医で常葉大学(静岡市)健康科学部部長の久保明さんは、「食事だけで必要な栄養素を摂るのは理想だが、実際は足りていない可能性もある」という。
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アンケートでは、自身の患者がサプリメントを摂ってもいいかを聞いてみた。
賛成の意見としては、「栄養療法の一環としてよい」(50代男性・一般内科)、「あくまでも健康補助目的という位置づけを認識して、うまく利用してもらいたい」(30代女性・呼吸器外科)、「適切に使用する場合、予防医学として考えればメリットもある」(50代男性・一般内科)など。ビタミンなど成分が明らかなものはOKだが、それ以外はNGといった意見もあった。
否定的な意見はこうだ。「なかには有害なものも含まれており、あまり歓迎はしていない」(80代男性・一般外科)、「まったく無駄で、むしろ有害」(60代男性・代謝内分泌科)、「サプリメントによっては有害になってしまう可能性もある」(30代男性・呼吸器内科)など。科学的根拠がないことや、過度な宣伝、値段の高さ、成分がはっきりしていないことなどを問題視していた。「高いサプリメントにお金を出すなら、きちんと通院して節制を」(50代男性・一般内科)という声もあった。
アンケートの回答のなかには、「エビデンス(科学的根拠)が不明」といった意見もあったが、久保さんは「サプリメントや栄養素のエビデンスは、意外と豊富にある」と述べる。
例えば、今、注目されているのが次の二つの臨床試験。サプリメントで「認知症予防」と「死亡率低下」が期待できるという。
【1】アルツハイマー病治療薬のメマンチン(商品名メマリー)と、ビタミンEを比較した試験。「ビタミンE単独」と「メマンチン+ビタミンE」「メマンチン単独」「プラセボ(偽薬)」の4つのグループで認知症の予防効果を比べたところ、「ビタミンE単独」のグループが他のグループよりもアルツハイマー病の進行が抑えられていることがわかった。
【2】13万人を18年間にわたってフォローアップした研究によると、男性では1日千ミリグラム以上のカルシウムを摂ると心筋梗塞などによる死亡率が上がり、女性では下がっていた。