担当医とは別に、違う医療機関の医師に「第2の意見」を求めるセカンドオピニオン。医師はどのような体制や方針で患者と向き合うのだろうか。本誌では医師専用のコミュニティーサイトを運営するメドピア社の協力で、医師300人にアンケートを実施。セカンドオピニオンを上手に受けるコツを紹介する。
【アンケート】医師の“本音”は…「セカンドオピニオンを受けたい」と言われたらどう思う?
アンケートではセカンドオピニオンを依頼されたら受けるかどうかも聞いた。「セカンドオピニオン外来を開設しているため受ける」が60人(19%)、「外来を開設していないが受ける」が194人(62%)、「断る」が53人(17%)だった。
「患者さんはセカンドオピニオンを受けることで主治医との関係が悪くなることを危惧されますが、患者さんを中心に主治医とセカンドオピニオンの医師が連携しているというイメージが、本来の姿です」
こう話すのは、日本屈指のがん治療専門病院、がん研有明病院(東京都江東区)の副院長で乳腺センター長の大野真司さんだ。セカンドオピニオンは「チーム医療の一つ」と答える。
同院では十数年以上前からセカンドオピニオンを実施。現在、専門外来の相談料は30分で3万2400円(税込み)だが、年間のべ3千~4千人の患者や家族が専門家の意見を聞きに来る。相談先の診療科のトップ5は、消化器内科(20%)、消化器外科(19%)、婦人科(16%)、乳腺科(11%)、泌尿器科(10%)だ。
「当院のシステムでは、まず診療予約室に連絡をして予約を入れ、必要に応じて診療情報提供書や画像データなどを送付してもらいます。担当する医師は事前に提供書やデータに目を通した上で、対応することになります」(経営本部本部長の櫛山博さん)
事前に診療情報提供書などを送ってもらうのは、医師らがその内容を確認してからでないと適切に答えられないことがあるため。家族だけが話を聞くこともできるが、その場合は、本人の同意書が必要だ。
「当院では転院を希望する患者さんであっても、一度、元の病院に戻ってもらいます」(同)