もちろん、男性の被害者もいる。性暴力被害の多くは女性であるので、男性被害者の場合、「男なのに?」という偏見や、“女性のように扱われた”屈辱など、被害が複雑化すると言われている。さらに男性被害の多くが子ども時代のものなので、成人してからの告発はどれほど難しいだろう。

 5月11日、私は大阪のフラワーデモに参加した。大学生もいた。横山ノック元知事のセクハラ裁判で闘った女性たちもいた。性被害にあった子どもを持つ母の会の方々の姿もあった。

 決して新しい問題ではない。いや、むしろずっと声をあげ続けてきた人はいた。ずっと苦しんできた人がいた。そして新たに苦しんでいる若い世代がいる。ずっとずっと、コップの水が溢れるギリギリを私たちは生きてきたのだと思う。だから、溢れた。大阪でこんな話をしてくれた人がいた。

「いつかスーパーマンのようなフェミニストが現れて、世界を変えてくれるのだと思っていました。でも、そんなことは起きなかった。だから、今日来ました。本当に変えたいから」

週刊朝日  2019年5月31日号

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