副作用が起こっても、早期発見なら減薬や副作用を軽減する薬などで対応でき、治療を続行することが可能だという。
オプジーボは2014年に発売され、現在は悪性黒色腫や切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんなどに用いられている。小野薬品工業(大阪市)によると、年間1万7千人以上の患者に使われており、免疫関連副作用で今回の件以外に2人が亡くなっているという。同社は厚生労働省の指示を受け、薬の添付文書に重大な副作用として追記した。
だが、問題はそれだけではない。日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授の勝俣範之さんは、さらに重大なこととして「適応外のがんに対し、専門外の医師がオプジーボを不適切に使っているケースがあり、死者が出ている」と指摘する。実際、都内のクリニックでオプジーボと別の抗がん剤を併用した大腸がん患者が、重症筋無力症で死亡した。少なくともオプジーボは大腸がんの適応外で、こうした事例は氷山の一角だという。
「オプジーボに限らず、がん治療薬は非常に強い薬。専門家が診ても死亡率は1~2%ほどある。だからこそ慎重に使うべきだ。少なくとも患者さんはがん治療の専門医のもとで治療を受けてほしい」(勝俣さん)
(本誌・山内リカ)
※週刊朝日限定オリジナル記事