4月中旬から10連敗を喫し、5月13日現在で借金11の最下位に低迷しているDeNA。メディアの間では早くも来季の監督人事が話題になっているという。スポーツ紙の番記者は、こう語る。
「投打で戦力的に他球団に見劣りしているわけではない。結果論かもしれないが、采配で落としている試合も少なくない。このままBクラスで終われば、ラミレス監督と来季の契約は結ばないでしょう」
ラミレス監督は今季が就任4年目。緻密(ちみつ)なデータに基づく采配で、就任初年度の2016年に球団創設初のクライマックス・シリーズ(CS)進出を果たした。翌17年はCSを勝ち抜き、1998年以来19年ぶりに日本シリーズへ。順調にチームを構築していたかのように見えた。
だが、昨年はリーグワーストの572得点にとどまり、4位に終わった。実は昨季のシーズン終盤も、「コーチとコミュニケーションを取らず、選手からの求心力も低下している」と監督交代のうわさが飛び交っていた。
今年も続投となったとはいえ、救援陣の乱調、守備のミスが目立ち、再三の逆転負けを喫するなど苦しい戦いが続く。
5月12日の広島戦(マツダスタジアム)では4点のリードを許し、なお2回2死一、三塁のピンチで、今季2度目の先発マスクをかぶった戸柱恭孝を伊藤光に交代させた。投手とセットで交代するのは珍しくないが、立ち上がりから不安定だった先発の京山将弥は続投させた。「懲罰交代」に戸柱がうなだれて戻った三塁ベンチには、重苦しい空気が流れていた。
ラミレス監督の目指す野球に限界が見えている側面も否定できない。ネフタリ・ソト、ホセ・ロペス、筒香嘉智、宮崎敏郎と中軸に強打者をそろえながら、今季もリーグワーストタイの133得点にとどまる。
他球団のスコアラーは、こう分析する。
「足で揺さぶりをかけるなど投手が神経を使う嫌らしさがDeNAにはない。強打者は多いけど個々が勝手に打っている印象がある」