“ミサイル”とは断定せず、このことが3度目の会談の障害になることはないという姿勢を示したのである。

 私自身、来年の大統領選挙前に、3度目の首脳会談が行われるのではないか、と予想している。

 ところで、4月25日に金正恩氏はウラジオストクを訪問してロシアのプーチン大統領と会談した。

 この結果、金正恩氏は米国のトランプ氏、中国の習近平国家主席、韓国の文在寅大統領と、北朝鮮と直接関わりを持つ4首脳と会談していて、日本の安倍首相だけが一度も会談していない。つまり取り残されたという形になっている。そこで、安倍首相が強い焦りを覚えて政策転換をした、ということなのだろうか。

 それもあるかもしれないが、私は安倍首相が記者団と会う前に、トランプ大統領と約40分間行った電話協議に強い関心を抱いている。トランプ大統領は今、米中問題に全エネルギーを投入しなければならない。だから、北朝鮮に関して安倍首相に何らかの役割を依頼したのではないか。北朝鮮が再び飛翔体を発射したことで、私はその思いを強くした。

週刊朝日  2019年5月24日号

[AERA最新号はこちら]