俳優・三浦翔平は小さい頃から、ミュージカルを観るのが好きだった。劇団四季が上演するディズニー作品には、とりわけ胸がときめいた。19歳で俳優としての活動を始めてからは、仲良くなった俳優の出演する舞台を観にいくようになり、舞台への憧れを募らせた。
「20代前半は、いただいたお仕事を頑張るだけで精いっぱいでした。新しい役にのめり込んで、演じ終えると、一瞬解放されたような、何か掴めたような気持ちになる。でもその後すぐにもう次の役が待っているんです。だから、『舞台がやりたいです』とか、そういうことを事務所の人に相談する暇もありませんでした」
一昨年、念願かなって劇団☆新感線の「髑髏城の七人 Season月」に出演できた。そのとき、共演者やスタッフから、「舞台をやらない人なのかと思ってた」と言われ、少なからずショックを受けた。
「やりたいことがあるなら自分で掴み取りにいかないとダメだと思い知らされました。舞台をやると、すごく自分の力になることもわかったし、キツいときもあったけど、初日と千秋楽では、明らかに自分の知識や技術が増えたことを実感しました」
「舞台をやりたい!」と周囲にアピールしていたら、ほどなくして、今回の作品の話が舞い込んできた。