この問題について、ここ1カ月、私はできる限り多くの人と話してきた。自分の勉強不足も思い知りながら、まずは、今感じていることをいろんな人とシェアしたいという思いで、4月11日にスタンディングを友人たちと呼びかけた。10人でもいい、報じられなくてもいい、花を持って集って、声を出せない人、声を出したくない人にも、声、花を届けたいと呼びかけた。
蓋をあけてみて、驚いた。開始30分前には、もう人が集まり始めていた。声をかけた30代の女性は、岡山からこのために来たという。「今まで自分がされてきたことって、怒っていいことだったんだって、思って」。いてもたってもいられず、来たと話してくれた。それからが大変だった。続々と花を持つ人、花柄のスカートをはいた人など、約400人(メディアの人が数えてくれた)が集まったのだ。そして声が声を呼ぶように、私たちは2時間にわたり、話した。「急に話したくなりました」とマイクを握った高校生もいた。寒い4月の夜、東京のど真ん中で、私たちは泣きながら、時に笑ったりしながら、声を聞いた。話したのだ。
この日、ツイッターのトレンドに#WithYouが入ったという。性被害を訴える#MeTooに寄り添う声だ。まずはおかしなことにおかしい、と言える。そういうことをこの晩、私たちは確かめ合ったのだと思う。日本も、変わっていける、変わりたい、そんな希望を花を握りながら確かめたのだと思う。
※週刊朝日 2019年4月26日号