「船便や沖に停泊した船の上で取引する瀬取り、航空機の手荷物として持ち込むのは昨今、警察や海上保安庁、入国管理局による発見のリスクが高い。旅行者などを運び屋として使うことで、見つかるリスクは低くなる」
溝口さんによれば、日本国内で流通する覚せい剤の9割以上は暴力団が取り仕切っているものだという。
警視庁ではホテルの防犯カメラなどを分析して、台湾籍の男2人の行方を追うとともに、密輸ルートについても実態解明を進めている。
映画『運び屋』の特別映像で、クリント・イーストウッドはインタビューにこう語っている。
「彼くらいの年齢でも学ぶことができるということは素晴らしいと思う」
2人の「運び屋」の人生は、あまりにも違った結末になったようだ。
(本誌 羽富宏文)
※週刊朝日オンライン限定記事