ときめきは、英語では「spark joy」という言葉に翻訳されている。
「片づけというと、不要なモノや使えなくなったモノを捨てるという考えになりがちですが、自分にとって理想の暮らしに必要かどうかを見極めてください」(同)
捨てられないモノに対して、近藤さんは著書でこう書いている。
<一つひとつ、その本当の役割を考えてあげること。すると、意外なほど多くのモノが、すでにお役目を終えていることに気づくはずです。モノが果たしてくれた役割にきちんと向き合い、感謝して手放してあげることで、初めてモノとの関係に「片をつける」ことができたといえます>
(3)適正量を認識する
必要なモノを選んだら、その数を意識する。
「一人でソックスだけを370足も持っていた方がいました。選んでもらったら173足まで減りました。選んでからもう一度、自分にとっての適正量を考えてもらいます」(同)
何となくではなく、数えて厳選することで、本当に必要な量がわかるようになる。ちなみに、高山さんにとって靴下の適正量はたったの3足だけ。使いまわしていると3カ月ほどで穴が開いてくるが、季節の柄に買い替えるのも楽しみの一つだとか。
(4)定位置を決める
「リバウンド」を繰り返す原因に、モノの定位置を決めておかないことがある。
「使いやすさよりも、戻しやすさがポイント。家族と話し合って、『あれはあそこに戻すモノ』というように共有しておきましょう」(同)
(5)使ったら元に戻す
すべてのモノに定位置があると、無造作に置かれて散らかることがなくなる。全体を把握することにもつながり、余計なモノが増えなくなっていく。
(1)~(4)を短期間で“祭り”のように一気にやる。後は、(5)で日常的に元の位置へ戻す。毎日少しずつ片づけしようとしても、いつになっても思い描いた理想の空間にはたどり着かない。
片づけにも順番がある。まずは衣類から手をつける。写真などの思い出品は最後だ。場所別だと後から同じカテゴリーのものが出てきて、見極めや収納も二度手間。もの別に難易度の低いものから順に手をつけることで、判断力も身につく。
【衣類】
ショップの陳列棚からときめくモノを選ぶような感覚で選ぶ。ときめかない服とお別れすると、部屋着さえなくなることも。家でも外へ出られるようなワンピースを着るようになり、若返った気分になったという人もいる。
残す服は長方形にたたんで、立てて収納するのがポイント。薄くたたんで積み重ねると、下の服は見えにくいし、久しぶりに引っ張り出すとプレスされてぺちゃんこに。立てて入れれば、引き出しを開けた時にすぐに服がわかる。シワもつきにくく、取り出しもしやすい。