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この会談は、メールでもわかるように冒頭部分はマスコミにも公開されていた。
「総理、副総理の地元とは関係なく、中国・九州の経済や後世のため、オールジャパンで必要な道路」という吉田参院幹事長の言葉が残っている。
だが、マスコミが退席すると吉田参院幹事長は、「総理、副総理と言うと国交省もやりにくいだろう」と暗に「忖度」を促すような発言をし、塚田前副大臣も「前向きに検討していきたい」と述べている。
塚田前副大臣が辞任した際、「吉田氏や大家氏から、安倍首相や麻生副総理の話はなかった」と述べ、選挙演説でも、ウソをついたと説明した。
しかし、国交省のメールには明確に安倍首相や麻生副総理のことが記されている。
「森友学園や加計学園の疑惑がまだ記憶に新しい。そんなこともあって、後にこんな記録があったとなっては、炎上する。与党が不利な資料であっても、二の舞になるのは困るので、先に出すべきという判断になったそうです」(国交省関係者)
この国交省メールについて、国民民主党幹部はこう話す。
「どう見ても、国交省のメールのほうが信用できる。メール作成者は情報共有のため、30人を超す職員に送信していることでも明らかだ。メールの内容から、塚田氏が忖度していたのもハッキリした。国から、安倍・麻生道路には4000万円の予算がついた。それがこの会談で、塚田氏が選挙演説で話したように、忖度した裏付けになるメールだ。塚田氏は副大臣の辞任だけではダメ。議員辞職すべき。吉田参院幹事長や大家議員も同様だ」
忖度はやはりあったのか。国交省職員はこう答えた。
「忖度があったとは捉えていないし、圧力があったとも感じていない。それは国交省職員全員が同様の認識をしている」
陳情の席で「総理」「副総理」という言葉が出るのはよくあるのか、という問いに対しては、歯切れ悪くこう回答した。
「その場での会話の流れもある。出るとも出ないとも……何とも言えずお答えできない」
(今西憲之/本誌・秦正理)
※週刊朝日オンライン限定記事