

今年の「ミス日本」は、東大理III2年生の度會亜衣子さん。フードショーの審査員を務めた際にはアメリカ人シェフに英語でレシピを尋ねるなど、得意の語学力も生かして活躍中だ。
「もともと英語は大好きで、『ハリポタ』を原書で読んだり、『ジャパン・タイムズ』を読んでいました。それが受験でも生きたと思います」
中学時代の“調べ学習”で、脳の記憶について調べたことで、人の身体の仕組みに興味を持ち、高校時代に医学部進学を決めた。
「東大に入って良かったと感じるのは、チャンスの広さ。研究や勉強の環境に恵まれているので、自分がやりたいと思う分野への扉が開かれています。素晴らしい先生が多いし、研究室にはものすごく高額な器具が揃っていて、それを自分たちで使えるというのがすごいと思います。日本中から優秀な学生が集まるというのも魅力的です。いろんな人と関わって、刺激をもらっています」
この環境にいることで、自分磨きに拍車がかかった。
「外国語も集中的に学べ、入学してから始めたフランス語で準1級を取りました」
相当の“努力好き”である。大学に入るまで、水泳が得意ではなかった。息継ぎができず、25mを泳げずに途中で立っていたのだが、「大学に入って新しいことにチャレンジしたい。ハードルを乗り越えたい」と一念発起。医学部水泳部に入部し、トレーニングを重ねた。その甲斐あって、長距離専門の大会に出場し、400mの種目で見事に泳ぎ切った。
来春の受験生へのアドバイスを聞いてみた。
「調子の上がらない時もあると思います。私はそういうときはあまり追い詰めずに、最低限できることをやろうと続けました。努力は裏切りません。今までこれだけ頑張ったんだと自分を信じられれば、力を出せます。自分を信じて!」
今春から医学部に進学。研究職に就くのがいいか、現場で患者を診るのがいいか。どちらにも興味があり、これから見極めていきたいという。研究の場合なら、アルツハイマーやパーキンソン病など、脳の病気の原因を解き明かすことに興味を持っている。(取材・文/菊地武顕・本誌)
※週刊朝日 2019年3月22日号に加筆