村木宏衣(むらき・ひろい)さん/アンチエイジングデザイナー。大手エステティックサロン、美容医療クリニックでの勤務を経て独自の美容メソッドを確立。著書『整筋・顔体大全』(日経BP社)が話題に
村木宏衣(むらき・ひろい)さん/アンチエイジングデザイナー。大手エステティックサロン、美容医療クリニックでの勤務を経て独自の美容メソッドを確立。著書『整筋・顔体大全』(日経BP社)が話題に
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ゆがみを矯正しよう(イラスト/坂本康子)
ゆがみを矯正しよう(イラスト/坂本康子)
たるみを引き上げよう(イラスト/坂本康子)
たるみを引き上げよう(イラスト/坂本康子)
目をぱっちりさせよう(イラスト/坂本康子)
目をぱっちりさせよう(イラスト/坂本康子)

 若々しい笑顔を保つために一番大事なことは、毎日顔の筋肉をほぐすこと。ゆがみ改善のプロに聞く、“自分でできるスペシャルケア”を紹介! 赤根千鶴子氏がレポートする。

【イラストで見る】「プロが伝授!顔筋ケアのやり方はこちら

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 若いころは気にならなかったのに年をとってから自分の“顔のゆがみ”が気になってたまらない。そんなことはないだろうか。「そのゆがみの元凶は、筋肉にあります」と言うのは多くの女優、モデルから支持されているアンチエイジングデザイナーの村木宏衣さんだ。

 筋肉の老化は実は20代以降に始まり、筋線維はどんどん硬く縮まっていく。また長年の生活習慣によって、筋肉にはクセもついていくという。「食事をするとき、右側だけで噛む。あるいは夜眠るとき、いつも顔の左側を下にしている等々、私たちは気づかないうちに筋肉の偏った使い方を多々しているのです」。そしてその“悪いクセ”が骨格を引っ張り、顔をゆがませてしまうのだ。

 また加齢によって体の前側の筋肉が硬く縮んでくると、姿勢はだんだん背で前かがみになってくる。すると首やあごの動きが悪くなり、たるんだ老け顔一直線! そこで村木さんに顔の筋肉をゆるめ、顔のゆがみを整える「村木式・基本の若返り顔筋ケア」を教えてもらった。

 まず行うのは「顔のゆがみの矯正」だ。両手の親指を大きく開き、指の腹を頬骨の下に置いて圧をかけていく。

 そして口を大きく「あぐあぐ」と動かしてみよう。「頬骨から側頭部の緊張しがちな筋肉をゆるめていきます。これを1分行うだけで、あごの関節がだいぶ動かしやすくなるはずです」

 そして次に行うのは「たるみの引き上げ」。咬筋(頬骨の下にある、口を開閉したときに動く筋肉)は硬くなりやすい。咬筋が動かなくなると口角が上がりづらくなり、口元はだんだん「への字口」に。「ほうれい線が目立つ仏頂面に見えるので、とても損ですよ。咬筋をしっかりほぐして、口角がキュッと上がった若々しい笑顔を取り戻しましょう」

 やり方はいたって簡単。咬筋を反対側の手の親指でとらえ、「あぐあぐ」と口の開け閉めを繰り返すだけだ。ただし咬筋がゴリゴリに硬くなっている人にとっては、これが結構イタイ! 使っていなかった筋肉の“目覚めのトレーニング”と思って挑戦してみよう。

 最後の仕上げは「目をぱっちり」。おでこは意外なほどコリやすい部分。そこでおでこの筋肉(前頭筋)をほぐして、顔をよりラクに動かせるようにする。「顔の表情筋がうまく使えていないと、目元だけでなく顔全体がたるんできて“老け顔”から抜け出せなくなってしまいます。顔の緊張をやわらげて、“いつでも目がぱっちり開く顔”を習慣づけていきましょう」

 こぶしをつくり、眉頭の上から顔の外側に向かってクルクルともみほぐしていく。押し付けるような強い力ではなく、おでこのシワをクルクルと“指アイロン”でのばしていくような感覚で行うとよい。

 この三つの顔筋ケア、決して長い時間をかけることはない。目安はトータルで3分くらい。お風呂に入っているときに行うのも心地いいが、脱・ゆがみ、脱・老け顔の一番の近道は「夜寝る前」と「朝起きたとき」にこのケアを行うことだ。

「無意識のうちに『食いしばり』のクセによって顔の筋肉を緊張させている方も多いのです。夜寝る前にケアを行えば顔の緊張がとれますし、頭の緊張もとれて眠りの質がよくなります」

 また寝ているときも、実は自分の想像以上に「食いしばり」をしている人が多い。「そして寝ている間に顔にコリをためる方は結構いらっしゃいます。なので朝起きたときも顔筋ケアで顔のコリをほぐしてあげるのがベストです」

顔のゆがみを進行させないようにするためには、普段から正しい姿勢を意識することも大切だと村木さんは言う。「年齢と共に人はどうしても“自分がラクな姿勢”をとりがちです。でもすわっているときに足を組んで背を丸めたり、エレベーター待ち、信号待ちのときに片足に重心をかけた姿勢をとったりすることは体をゆがませる原因になり、それが結局あごのゆがみ、顔のゆがみにつながってくるということを忘れないでください」

週刊朝日  2019年3月22日号より抜粋