大阪桐蔭と同様の伸びを見せているのが、東大でも実績を上げてきている西大和学園だ。90年に2人の京大合格者を出し、その後右肩上がりに上昇。00年には46人、05年には95人、15年には81人の合格者を出し、24年にわたって京大合格者数がトップだった洛南を抜いて、1位に躍り出た。

 しかし、16年から18年の3年間は平均して49人の合格者にとどまっている。中岡義久校長は、東大の合格者が増えていることが要因にあるとしたうえで、背景をこう説明する。

「社会に出て活躍する卒業生から話を聞く機会を持つことが多く、関西を飛び出して東京や世界に出たい生徒が増えてきた。また、最初の2年間は教養課程で幅広く学び、3年生から専門分野に進む東大の教育制度に魅力を感じる生徒も多いです」

 大きく合格者数を伸ばす高校がある一方で、合格者数を減らしている高校もある。この30年間で最も減らしたのは京都の私立・洛星だ。89年には106人でトップ、その後も98年には洛南とともに1位になるなど、多数の合格者を出していた。

 しかし、05年に73人と大きく減らしてから減少傾向となり、18年はトップ10に入るが、42人にとどまった。教育部進路指導主任・上野学教諭はこう分析する。

「京都府内では堀川など有力な公立や、中高一貫校も増えている。受験生からすれば以前より選択肢が広がり、わが校だけが合格者で突出する、というわけにはいかなくなった。経済的負担を考え、『同じ京大に行けるなら公立』という受験生もいる」

 日本中のハイレベルな高校生が集う東大・京大。合格の先を見据えた教育が、高い実績につながっているのは興味深い。次の元号ではどこの高校が台頭してくるか、注目したい。(本誌・緒方麦、吉崎洋夫)

週刊朝日  2019年3月22日号

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