背水の陣となった小池氏の頼みの綱は、二階俊博幹事長だ。
小池氏とはかつて保守党では同志、昨年9月の沖縄県知事選でも与党系候補の応援に駆け付けたり、二階氏と面談をお願いしたりするなど、もっぱら「擦り寄り」を見せているが…
「二階さんも歳だし、幹事長もいつまで持つかわからない。今年の参議院選挙で惨敗すると、二階さんの責任問題で、幹事長の椅子が五輪まで持たない可能性がある。そうすると、小池さんには入り口がなくなります」(小林氏)
対抗する自民党からは鈴木大地スポーツ庁長官や丸川珠代元五輪相、「北海道知事選に出なかったのは、都知事選を狙っているから」ともささやかれた橋本聖子参院議員会長らの名が候補者として取り沙汰されているが、小林氏はあの大物の名を挙げた。
「都民の大量票を取り込めるのは、谷垣禎一元総裁。もちろん、本人にやる気があれば、という前提。
自転車事故からの回復も著しく、話す言葉もきちんとしていて、人柄も堅実。怪我の同情票もある。副知事や特別秘書で、周りを固めれば、知事職は十分にこなせる。小池氏と戦うことになれば谷垣氏の圧勝でしょう」
そうなると小池氏の次の道は、国政復帰しかない…。
「小池さんの思惑は、都知事再選後、オリンピックの小池として五輪を成功させ、途中で辞任。国政に転じ、総理を目指すというストーリーだったが、もう不可能。国政に転じても、自民党の派閥はどこも受け入れる余地はない。選挙区をどこにするか、政党はどこにするかといった様々な問題が出てきて、路頭に迷う」(前出の小林氏)
「今の関心事は次に誰が都知事になるかです」と、都の職員からも、ある意味、注目が集まっている。小池旋風が「ぴたり」と止むのは時間の問題か。(本誌・田中将介)
※週刊朝日オンライン限定記事