求心力を失ったとはいえ、まだ一挙手一投足に注目が集まるのは、小池百合子東京都知事だ。
小池知事は2月19日、都内のホテルで政治資金パーティーを開催。
主催は今年1月に設立した新たな政治団体「百成会」とされ、来年に迫った都知事選を視野に入れているとされる。
パーティーに集まったのは業界団体の関係者ら500人以上、国会議員や都議などの姿はなかったという。
当の小池知事本人は、政治団体設立について、「そういう会を設けてほしいという支援者の声も多かったので設けた。それ以上でも以下でもない」とだんまり。
こんな場面もあった。日本外国特派員協会での記者会見で、報道陣から、「2期目を目指すのか」「女性初の総理大臣を目指すのか」
と、今後の政治活動について問われ、小池知事は、「2020年の大会の準備に集中している」と述べるにとどまった。
しかし、2020年の東京五輪で小池氏に、都知事の席は確約されていない。
知事の任期は4年で、2020年7月に都知事選が想定されている。東京オリンピック・パラリンピックの開催期間は2020年7月24日~8月9日で、オリンピックの開催期間中、または直前に都知事選が行われる。都庁職員は、こう不満を漏らす。
「民主主義なので、次の知事を決めるのは都民の皆さんの判断ですが、五輪直前に知事が変わると、各種書類やPR動画などが全て変わる、下手すると、宣伝物が間に合わない可能性もある。築地、豊洲問題も2転、3転して現場が相当振り回されたのに、これからもそうなることを考えると、先行きが不安です」
「再選は不可能に近い」というのは、政治ジャーナリストの小林吉弥氏だ。
「豊洲移転や築地再開発問題をはじめ、議会運営もスムーズにいっておらず、一時の勢いは、小池さんにはない。また、前回の都議選で、自民党は議席半減の歴史的大敗を喫し、遺恨を抱いている。都議会自民党と小池の関係は最悪、かつ、都議会公明党も一時は小池氏を支えたが、今は是々非々。都議会の運営は非常に厳しい状況です」